一番嫌いなタイプの生徒
結論から言うと、完全に無反応な生徒は一番嫌いだ。あくまで個別指導での話だが…。
一番困る。成績を上げるために必要だから授業をしている。話は聞いてもらう必要があるし、やるべきことはやってもらう必要がある。
「塾に来るだけでも偉い」みたいなテンションでその場に座られて、声掛けに全く反応せずノートやテキストを取り出すだけでも10分かかる感じだと、
正直塾に来る場合ではない。時間の無駄だ。
塾講師は精神科ではないので、笑顔を失った子供を笑わせる魔法のようなことはできないし、場面緘黙症の治し方も知らないのだ。
子供の時間というものは貴重だ。大人の都合で奪うようなことがあってはならない。
保護者と教室長との間でどんな取り決めがあろうと、生徒にとって時間の無駄なら辞めた方がいいだろう。
全くの無反応では成績の上げようがない。
そして、成績が上がらない責任は講師になる。もちろん塾の評判も下がるだろう。
誰にとってメリットがあるというのか。教室長の目先のインセンティブくらいしかなかろう。それにしたって大きな犠牲の下に成り立つわずかな報酬だ。
無反応な子供で成績が伸びているケースを見たことがない。大抵、1科目0点~20点(100点満点中)の間をさまようのが関の山だ。
正直、やんちゃな問題児の方も困るがまだマシだ。そういう子はエネルギーが有り余っているので、何かきっかけを与えれば怒涛のスピードで勉強したりする意外性を秘めている。
逆に元気を貰えることもある。
とはいえ上手くいくことの方が少ないが…。
いずれにせよ、無反応は最も塾講師が嫌うタイプの生徒だ。まあ、講師側がサボりたい場合はこんなに楽な生徒もないだろうが…。対応しなくていいようなものだし。
塾講師は対応をしなければ仕事ができないので、無反応相手でも本来はなんとかコミュニケーションを取ろうと必死に試行錯誤することになる。
そして、家に着いた頃には100人相手にしたくらいの疲労が残る。
だから無反応な生徒は嫌いなのだ。